三年前の桜の剪定につきまして
3月のお彼岸を迎え、大昌寺参道の桜も満開となりました。地域の皆様にとって、当山の桜が散歩道やお子様の記念撮影の場として親しまれていることを大変嬉しく思っております。
さて、当山では、三年前の3月、桜の開花の直前に桜の大規模な剪定(枝を切ること)を実施しました。この剪定により、桜の開花を楽しみにされている方々から多くのご意見を頂戴いたしました。この時、当山には情報を発信できるホームページなどの手段がなく、充分なご説明が出来ませんでした。多大なるご心配をおかけしましたことを改めてお詫び申し上げます。
開花直前に剪定を行ったことから「落ち葉掃除が楽になるから剪定したのではないか」「桜の木のことを考えていないのではないか」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、3年前にお伝えすることが叶わなかった「大昌寺参道の桜」について、お話をさせていただければと思います。
実は、当山参道の「ソメイヨシノ」は、現住職が1985年(40年前)に自ら穴を掘り、手作業で苗木を植えたものです。苗の状態から現在の大きな桜の木になるまで、大切に育ててまいりました。
しかし、桜にも人間と同じように寿命があり、「ソメイヨシノ」の寿命は、約60年と言われています。当山の桜もだんだんと老木となり、木々の生きる力が低下し、落枝が増えはじめていました。また、今まで大規模な剪定を行わなかったため、大きくなりすぎたことで木への負担が増していることが指摘されておりました。さらには、日野市の防犯カメラを覆う、近隣の駐輪場・公園に大きくはみ出すといった影響も出ていたため、市とも相談のうえ、桜にとって一番負担がない時期に大規模な剪定を行う判断に至りました。
しかし、桜にとって一番負担がない時期とは、”開花の直前”でありました。桜の木がパワーを貯めている春前に剪定を行うことが桜へのダメージを最小限に抑えることができるのです。
有名な諺に「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という諺があります。これは「個性に応じた手の掛け方をすることが大切」という意味で、「桜切る馬鹿」とは、桜の場合、枝の切り口から菌が入りやすく腐りやすいため、むやみに剪定してはならないことを指したものです。そのため、3年前の剪定では切り口の断面ひとつひとつに傷口を保護する薬を塗り、桜の木が病気や菌に蝕まれないように対策をしていきました。
当山では、基本的に落ち葉対策のために木々を伐採することはありません。剪定は木々の健康を第一に考え、庭の景観を考慮しながら専属の植木屋さんと相談のうえ、実施しております。しばらくは桜の剪定はないであろうと思っておりますが、桜の状態や、近隣への影響、安全面などを考慮しつつ、今後も必要に応じて剪定を行う可能性がございます。その際は、事前にホームページなどで、情報を発信させて頂きますので、ご確認いただければと思います。
改めて、その節は、毎年の桜の開花を楽しみにされていた皆様を悲しませることとなり、申し訳ございませんでした。今後とも、当山で育つ多くの木々や花々をご鑑賞いただき、見守っていただけますと幸いです。
合掌